ボトックスで改善されるシワの種類
メスを使用することなくしわを改善できる方法の一つに、ボトックス注射があります。
ボトックスとは、ボツリヌス菌を精製化した物質で、しわを伸ばす効果が大変高いことで知られています。それではここで、ボツリヌス菌の知識について、少し触れておくことにしましょう。ボツリヌス菌とは、「ボツリヌストキシン」という毒素を出し、経口からヒトの体内に取り込まれた場合には、重症の食中毒や呼吸筋を麻痺させ、最悪の場合には死に至らしめるという、非常に強い作用を持つ菌です。そのような強い作用を持つ菌を皮膚から注入した場合、人体への悪影響はないのでしょうか？これは、ごく一般的に感じる疑問ですね。勿論、前述の通り、ボツリヌス菌を直接経口で体内に取り入れた場合には、ヒトの体内では過剰反応を起こし、非常に危険です。
しかしながら、ボトックス注射で使用するボトックスは、ボツリヌス菌を精製化した物質であり、さらに経口により体内に取り込まれるのとは異なり、危険性は低いと言われています。それに加え、現在美容外科で行うボトックス注射に於いては、2.5～100単位の、少量のボツリヌス菌しか入っておらず、この数字は中毒を起こすレベルのものではありません。従ってこの数字は、ボトックス注射の危険性の低さを裏付けているものと言えます。
ボトックス注射の概念は、ボツリヌス菌が持つ筋肉の動きを抑制する特性を生かし、精製されたボツリヌス菌を皮膚より注入することで、顔の表情筋の働きを麻痺させ、表情により出来るしわを目立たなくするというものです。それでは、様々なしわの種類と、それぞれのボトックスの効果について、ご説明させて頂くことにしましょう。ボトックス注射が効果的なしわとは、顔の表情によってできるしわ、いわゆる「表情じわ」と呼ばれるものです。このタイプのしわの場合、美容外科や医師が定めた一定量のボトックス注射を行うことで、約3日後～1週間程度で効果が現れて来ます。そして、その効果の持続期間は3カ月～1年間。
ボトックスはヒアルロン酸と同様、注入後一定期間で自然に体内に吸収されて行く特性を持っているため、個人の年齢や皮膚代謝の度合いにより、効果の持続期間が異なります。最後に一つ、アレルギーの問題について、お話をしておきましょう。ボトックス注射の安全性についてはご理解頂けたかとは思いますが、アレルギー体質の方の中には、ボトックス注射を行うことで「異物反応」を起こす方が稀にいらっしゃいます。従って、アレルギー体質またはアレルギー体質である疑いのある方は、美容外科や医師に確認をするとともに、事前にアレルギー検査を受けておくことをおすすめします。
